継ぎ接ぎだらけな僕らの心を

第1話

【楽しい】をあまり感じられないのは、備え付けられた感情が偽物だからだろうか。
それとも人型の資質には個体差があるのだろうか。

同類の仲間達はよく笑っている。インストールされた疑似魂と疑似感情が正常に機能しているようだ。

自分だけ楽しさを感じられないことが怖くなる時がある。

しかし、この【怖い】もつくられた感情だ。

もう何百回と思考を巡らせたけど、答えが出たことはない。きっと一生このままだ。

この機械の身体が朽ちるまでの長い長い時を、答えの出ない問を内包させながら過ごしていかなくてはならないのかと思うと気が遠くなる。