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上半身を起こした瞬間、甲高い悲鳴が小さく響いた。
音が聴こえた方に目をやると、知らない女が恐怖を宿した目でこちらを見ている。
首に個体番号が印されたリングが取り付けられているから、俺達の同類ではない。
【放し飼い】にしている人間だろう。
「ごめんなさい!」
人間は恐怖を感じた対象に対して、何の理由もなく謝罪をすることがある。
その感覚は、俺達が備え付けられた疑似感情にはないものだ。
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