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俺の何がそんなに怖いのだろう。わなわな震えだした女を見かねて、この場を立ち去ることにした。
人間達が俺達に見せる表情は様々だ。あんなにもあからさまに恐怖の感情をぶつけられたのは久しぶりだった。
何百年も前から、俺達人型と人間の関係性は変わっていない。
主人と家畜。他のどの都市でも、その序列は共通だ。
しかし、ここ『トモシビ』では、人型と人間の関係は比較的柔らかいものであると思う。
俺達は月に一度、人間達に血を提供させているが、それ以外での採血は決して行わない。
普段の生活も自由にさせているし、血液以外のものを略奪するなんてこともない。
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