第1話

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電子音が鳴り響き、シノが席を立った。 採血の終わりの合図だ。光を点滅させているベッドへシノが向かって行く。 「お疲れ様でした」 「はいよ」 丁寧に針を抜かれた男性は、身体を起こして足をベッドから降ろした。 シノと楽しそうに会話をした後、上着を羽織って部屋を去っていった。 「相変わらずすごいな」 「ん?何がだ」 誰からも慕われるシノを俺は昔から尊敬しているが、本人は全く気付かない。
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