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「ヨル、今日朝からだったろ。もう帰っていいぞ」
「いや、でも」
自分より遥かに働き詰めのシノを置いて先に帰るのは、さすがに気が引けてしまう。
「俺は午後からだったからいいんだよ。
それに、今日も花火ちゃんと会うんだろ?」
シノは俺の考えていることを先読みして、帰りやすいように説得してくれる。
花火と会う約束があるのは事実だ。申し訳ないが、友人の配慮に感謝して今日はもう帰ることに決める。
「まだ人間と友情ごっこでもしてんのか?」
ハクの苛ついた声が響き、横たわっている少女が身体をびくつかせた。
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