第1話

16/43

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「ヨル、今日朝からだったろ。もう帰っていいぞ」 「いや、でも」 自分より遥かに働き詰めのシノを置いて先に帰るのは、さすがに気が引けてしまう。 「俺は午後からだったからいいんだよ。 それに、今日も花火ちゃんと会うんだろ?」 シノは俺の考えていることを先読みして、帰りやすいように説得してくれる。 花火と会う約束があるのは事実だ。申し訳ないが、友人の配慮に感謝して今日はもう帰ることに決める。 「まだ人間と友情ごっこでもしてんのか?」 ハクの苛ついた声が響き、横たわっている少女が身体をびくつかせた。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加