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そろそろ本当に帰ろうと思い立った時、電子音が鳴り響いた。採血終了を告げるアラームとは違う音。
電話の着信音だ。
シノがデバイスを起動させ、通話を開始する。
「どうした?」
『あ、シノさん。そこにいましたか』
割と自由奔放に色々な所を歩き回るシノは、見つけようと思うととても難しい。
『それが…。アザミから使者が来てるんですよ。大事な話があるから、都市で一番偉いやつを出せと要求しています』
「珍しいな。わかった、すぐに行く」
本当に珍しい。都市は閉鎖的で、他の都市と関わることなんてほとんど無い。
どの都市にもルールが存在し、人間の扱い方もそれぞれだ。他都市の人型を招くことは、あまり良い事ではない。
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