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応接室に入ると、使者らしき男の人型がソファへ腰を下ろしていた。
「お待たせしてすみません」
振り返った使者の目は、凍てついたものだった。嫌に冷たい雰囲気が漂っている。
アザミの人型達は横暴であると、噂で聞いたことを思い出した。確かに、見るからに礼儀のないやつだ。
シノが向かいの椅子に座ると、男は名乗ることもなく、勝手に話し始めた。
「ここに来るまでに都市を見させてもらったが。人間の管理はどうなっているんだ?」
初めて発せられた男の声には、苛立ちが込められている。
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