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シノの表情が苦痛で歪んでいる。
立ち上がった男は、シノを上から見下し嘲笑った。
「期日は三日後だ。良識のある返答を期待している。もし断ったら、わかっているな?」
男は鋭い眼光とともにそう言い残し、部屋から出ていった。
お互いに一言も話さず、どのくらいの時間が経っただろうか。今起こったことを現実として捉えられていない。
もう何百年も、変わらない時を生きてきた。人間が生まれ、老いて死んでゆく過程を見続けるだけの日々。
そんな日常が、これから先もずっと続いていくのだと思っていた。そう信じて疑わなかった。
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