第1話

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「んー、ヨル…?」 「風邪ひくから早く起きて」 やっと意識が浮上してきたらしい花火は、上半身をゆっくりと起こした。 背中に付いていた草がはらはらと落ちていく。まだ眠たそうに目を擦る花火は、なんだか人間の子供のようだ。 「なんでここにいるの?」 「それはこっちの台詞。今日は行かないって連絡したよね」 「私は…。なんとなく、待っていたらヨルが来る気がしたの。途中で寝ちゃったんだけどね」 そう言って笑顔を浮かべる花火を、いつの間にか抱きしめていた。 初めは腕の中でもぞもぞと動いていたが、少しすると大人しくなる。
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