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それでも俺は、今腕の中にある温もりを手放したくはない。花火は俺を照らしてくれる光だと信じている。
もう自分の中で答えは出た。もし他の人型達に反対されたとしても、俺は花火を守るだろう。
この想いが設定されたものであったとしても構わない。何の為に用いるかは俺の自由だ。
再び腕の中の花火をきつく抱き締める。人工皮膚から伝わってくる温かさが心地良い。
花火と出会うまでの日々は退屈で、世界の変容を求めていたというのに。
当たり前にあると思っていた時間が無くなってしまうのだと分かると、こんなにも名残惜しい。
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