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朝早くにシノの部屋を目指した。他の人型達と話し合う前に、シノとは会っておくべきだと思った。
居住地にシノの姿は無かった。だとすればきっと、一夜中あの応接室で思考を巡らしていたのだろう。
思った通り、塔の最上階にシノは居た。
ソファで浅い睡眠をとっていた。機械の身体だからといって、ちゃんとした思考を形成するには、睡眠モードで情報処理をした方がいいというのに。
少し躊躇われたが、シノの身体を揺り起こす。
ぱっと勢いよく開かれた瞳が、俺の存在を認識し始めた。
「おはよう」
「ああ、ヨルか。おはよう」
人間とは違い、人型は寝起きが悪いなんてことがない。
「大丈夫か?」
「ああ」
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