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きっと大丈夫だなんて嘘だろう。【心】が大きなダメージを受けているに違いない。
窓から見える空は灰色の雲で埋められ、青が一つも見えない。暗雲に包まれた空気が窓をすり抜け、この部屋にも満たされているような気がする。
「どんなに考えてみても、誰も傷つかない方法は思いつかなかった」
ポツリと呟いたシノの姿は儚く、自らの停止スイッチを起動させてしまうのではないかと、普段は感じない恐怖を感じる。
いつもシノには助けてもらってきた。都市のリーダーとしてだけではなく、一人の友人としても。
退屈だった長い時間をこれまで生き続けてこられたのは、シノとミアハのおかげだ。
いつか恩を返したいとずっと思ってきた。
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