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「シノ、俺は人間を助けたいよ」
俺の言葉に、シノはおもむろに顔を上げた。
「俺は花火と一緒にいたい。シノみたいに、人間全員を見捨てたくないって程の大義を持つことは出来ないけど。それでもこれは俺の本心だ。
こんな自分勝手な理由じゃ駄目かな?」
【心】の機能は無意識に燃料を費やす。俺の場合は、よく話した時ほど消費が増える気がする。
シノは少しの間黙ったままだったが、先程よりもはっきりとした声で話し始めた。
「駄目なわけがない。皆それぞれに大切な人がいて、その人の為に何かをしたいと思うのは【普通】なんだ。対象が人間であっても、人型であっても、そこに差はない。俺は今までそう思って生きてきた」
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