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人間を守れば仲間は少なからず死ぬ。そうまでして貫きたい気持ちは【偽善】というものなのだろうか。
人型は元々人間の為に造られた存在だ。
人型が人間を管理する時代となっても、胸の奥底には『人間を助ける』という使命が眠っている気がする。
結局また、自分が存在している理由が分からなくなる。その繰り返しにはもう慣れた。
「今日は幹部メンバーだけを集めて話す。そこで皆の意見も聞こう」
「わかった」
とにかく、同族内で話をつけなければいけない。
シノは自分の意見を無理やり他人に押し付けたりはしない。
これから、安穏な日々は少しずつ瓦解していくのだろう。
先の不安と恐怖を感じながら外を見ると、雨が降り出していた。
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