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孤独な中年女が遺書を残す相手とてあまり思いつかない、年老いた母ぐらいだ。
そんなものを残したところで悲しみを深くさせるだけだろう――。
遺書を残す必要性の無い事をそこで認識した日足はようやく落ち着いてくる。
やっぱり私は書かなくていいやと隣の若者に断ろうとしたら、彼はすっかりリラックスして寝息を立てていた。
どういう神経をしてるんだろうと呆れつつ、端正な寝顔につい見入ってしまう。
現代の若い子は皆キレイだなぁと彼女はしみじみ思う、日足の若い頃は少数の美形と多くの普通顔、そしてブサイクしか居なかったと。
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