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今日は特別な日だ。
なぜなら、タイマムシンが発明された日だったからだ。
え、タイマムシン?
タイムマシンの間違いではないのかって?
もちろん、タイムマシンはタイムマシンだし、タイマムシンはタイマムシンだ。
ん、それならタイマムシンが何か、って質問が帰ってくることを俺はちゃあんと予測していた。ということは、もしかすると俺はタイムマシンに乗って少しばかり先の未来からやってきた未来人ということなのかもしれなかったけれども、残念ながら、そんな俺にもタイマムシンが何かは分からないのだった。
それならなぜ今日が、タイマムシンが発明された特別な日と言えるのかという話になってくるが、その君たちのからの返答も、もちろん未来人かもしれなくて、ただ先見の明をもつ現在人なだけかもしれない俺は、やっぱり予測していたわけではあって、そうして答えるのであるならば、それはそう言われているものだからだった。
今日はタイマムシンが開発された特別な日。
――そう言われているからそうなのだ。
そういうものとして飲み込んでもらわなくては仕方がない。
今ここで怒りだした早計な方がいらっしゃるのだとしたら、俺の言うことを聞いて、一度胸に手を当ててからもう一度その言葉を発するかどうかをご一考いただきたいと願う。なんども考えたってかまわないのだけれども、激情に任せたまま俺をなじるのだけはどうかご容赦いただく存じあげる。
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