episode 2

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「まだ食べてないし」 「じゃあ、食べる前の感想を」 「……いただきます」 「それ、感想じゃないよ」 「いいから食わせろ!」  大事な休み時間を咲良に奪われるなど、俺の腹が許さない。  このまま空腹のままでいると、次の授業中に激しく鳴る自信がある。そんな失態はしたくない。  やっとひと口、食べたところで咲良がペットボトルのお茶を出す。 「はい、お茶」 「早いわ!」 「喉つまるよ?」 「まだそこまで食ってねえよ!」  家でも学校でもこの調子。  だからクラスメイトに勘違いされる。 「また夫婦漫才?」  前の席に座ったまま振り返る日下部祐介。俺たちの親友。 「祐介くん、おはよう!」 「おはようはもう聞いたよ、一ノ瀬。にしても二人は相変わらず仲がいいね」  そんな祐介は相変わらず綺麗な丸刈り。  野球部だから仕方ないのかとも思うが、聞けばずっと丸刈りでお気に入りの髪型だとか。  シャンプーが面倒なだけじゃないのかと予想するも、違うと一蹴されて終わるんだよな。  あやしい。
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