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今朝のことを思い出して、やけに静かに感じる今を思う。
俺は頭を振る。今、考えてもまとまらない。とにかく、祐介に会おう。
俺はゆっくりドアを開ける。
生温い風が俺の冷えきった顔に熱を送る。祐介がぎこちなく笑っていた。
「部活は?」
「それどころじゃないよ」
わかっていたのに聞いた俺がどうかしてる。
「亮、イケメン台無し」
「そういう祐介だって、3日徹夜したみたいな顔してるぞ」
「例えがおかしいって」
お互いに乾いた笑い方をする。
いつものようにふざけてはみたが、そんな気分でないことはわかっていた。
この沈黙が答えだ。
「あのさ……」
お互いに表情を探って、どんな言葉をかけようか考えている。気遣うような間柄ではなかったはずなのに。
「亮、大丈夫か?」
「さあな。自分でもわかんないよ。祐介は?」
「うん。大丈夫でもないけど、まだ頭の中で理解出来てないみたいな感じかな」
「そうだよな」
よくわかる。お互いにわかりすぎているから、言葉が見つからないんだ。
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