ないすとぅみーとぅゆー

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 一年間もこう説教をしていると、もうトゲが凄い。 一学生に対する説教じゃない。 新卒社会人をいびり倒す上司クラスだ。 社会人じゃないからわからないけれども。  だが、残念なことにこちらも伊達に一年間説教を受け続けていない。 先生のトゲある攻撃を右から左に受け流し、かっこよくいうと馬耳東風り、時にこちらへ同意を促すときは、はい、仰る通りです。 時に間が空いたものならば、すかさずすいませんでした、を挟む。 これはやり過ぎるといけない。 困るのは君自身だから別に謝らなくていいと、意味のわからないことを言ってくるのだ。 言わなければ反省の色がないだとか言うくせに。  二時限目のチャイムが鳴り響く。 窓から射し込む陽射しは温度を上げ、輝きを増す。 照明のついていない教室は存外薄暗く、より一層外が眩しい。 「すいませんでした……」 教室を出て頭を下げてから、自分のクラスへと戻った。
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