ないすとぅみーとぅゆー

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 教室へ戻り二限目の授業。 先程とうってかわって随分と騒々しい。 俺の席は廊下側の一番後ろ。 ……ん? いやちょっと待て、さっきは全然気にしなかったが、俺の名前はアマセリンタロウだぞ? 普通最初の席というのは五十音順になっているものだ。 つまりこのクラスにはアマセより前のあ行の人間が四人もいるという事だ。 俺はその事実に驚愕しつつ、席につき新しいクラスメイトを見渡してみる。 顔は知ってる程度の男達。 誰かわからない化粧をした女達。 これは……顔と名前を一致させるのに時間が掛かりそうだ。  二限目のLHRが始まる。 簡単な業務連絡を淡々と聞き流し、やがてまたどうでもいい思考に没頭していった。 ……なるほど、秋山、明智、阿部、天城で甘瀬か……珍しいこともあるもんだ。 うちの学校は一年から二年になる時だけクラス替えがある。 つまり今ここにいるメンツと二年間を共にしなければいけないわけで。 いち早くグループを把握しなければならず、早速俺はこのLHR中にこのクラスでどういう立ち位置でいるべきかを考えていた。
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