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二人は北運動公園に辿り着いた。
テニスコートが二面、野球とサッカーのグラウンドが各一面、室内プールとウォーキングコースに木々と芝生が広がる地域の憩いの場だ。
野山は高校進学後もサッカーを続けている。
この公園は野山の通う高校の横にあり、各部付属の練習場所になっているのだ。
「今日はどっちかな? 学校かもしれないけど公園だと話しかけやすいんだけどな」
健吾に連れられるまま知らない町並を歩いてきた葉月。
車の行き来が激しい大通りから一変、門から大きな駐車場を進み見事な大樹のシールドをくぐり抜けると、緑が豊かに溢れる世界が広がっていた。
この街にこんな癒しの場所があるなんて。
葉月はお気に入りの場所として心に忍ばせた。
「どっちにしろここで昼飯にしようぜ」
広すぎる芝生の広場を囲むように子供が遊べる遊具やベンチ、東屋的なものがある。
日差しを避ける為、健吾は東屋に向かって歩き出す。
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