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野山は健吾の姿を見つけるや否やボールを健吾に向けて蹴った。
健吾も自然に蹴り返す。
「先輩お久しぶりっス」
「本当に! 夏休み全然連絡くれなかったじゃん! 彼女でも出来たのか!」
「だったら今日もデートしてますって」
野山はこれでもかとイケメンに笑う。
少し垂れ気味の涼やかな目元にスッと伸びた鼻筋、ニッと笑うと悪戯小僧のように大きく開く口から真っ白な歯が光る。
その歯がほど良く日焼けした健康的な肌に映って眩しい限りだ。
総じてイケメン!
健吾は今までそんな風に思ったことはなかったが、紗耶香の話をするにあたり、並びたくないと本気で思う。
身長だけは野山に引けを取らないものの、似顔絵師に謝らせた過去を持つ健吾はただただ心で笑い泣くしかない。
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