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健吾は感情とは裏腹にイイ人を演じてしまう所がある。
紗耶香から衝撃の発言を受け、十年以上に渡る片思いに終止符が打たれた瞬間でさえ、笑顔で協力すると答えてしまった。
その場で野山に連絡を取ろうとした健吾を紗耶香は恋する乙女の表情で止めた。
覚悟は決めて来たはずなのに、やはりドキドキしてしまうようだった。
結局夏休み中に自力で告白してみせると頬を染め宣言し、とびきりの笑顔で帰って行った。
それきり連絡はない。告白できたのだろうか?
『あんなに可愛い紗耶香を嫌いな男子なんているはずがない! 告白されればOKしてしまうに決まってる!』
健吾は紗耶香を心配しつつも、いつもこの結論に辿り着き涙ぐんでしまう。
「もっと早く告白しとけば良かった……」
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