【前編】 出会い

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 机の前にしゃがみ込み、顎を机に乗せている。顔の両側にはグーにした手が。 『可愛いじゃないか!』  健吾は心の中で叫びながら極めて冷静を装ってみる。 「紗耶香っ、ど……どうしたんだよ」  あまり上手くいってないようだ。  紗耶香はひたすら健吾の顔を見つめ、というより睨みつけている。  トレードマークのツインテールはしていない。  健吾を睨みつけたまま紗耶香は言った。 「幼馴染の健ちゃんですね?」  物言いがおかしい。  健吾は頭上にクエスチョンマークを浮かべる。  「初めまして。(わたくし)木下(きのした)葉月(はづき)と申します」  「はぁ?」
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