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一気に凄い情報量を捲し立てられ、健吾には処理しきれない。
頭上のクエスチョンマークは増加の一途をたどっている。
「……何だって?」
紗耶香は立ち上がり、じれったいという風に両手をブンブン振り回す。
いつもの紗耶香ならするはずのないその仕草に健吾は心を打ち抜かれる。
『可愛いじゃないか!』
「ですから! 幽体離脱で散歩をしていたら自殺を図る紗耶香さんを発見し、阻止しようと思ったら紗耶香さんの身体に入ってしまって出るに出られなくなってしまったのです!」
紗耶香はハンカチを出し涙を拭う。
「と言う訳で、まずは自殺の原因から……」
健吾は紗耶香の額に手をあて自分の額の温度と比べる仕草をした。
熱でもあるのか? 頭は大丈夫か? と言いたげだ。
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