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「さて今更ですが、クエストの種類には大型討伐、中型討伐、小型討伐、大型納品、小型納品、採取、協力必須の7種類があります。巨大キノコの討伐はどこに当てはまるでしょうか?」 「え~っと…中型討伐でしゅか?」 「それが妥当でしょうね。なのでクエスト種類に中型討伐と書きます。きれいな字で」  掲示板に貼られている紙と同じ紙を取り出し、書類を見ながら情報を書き写した。 「最後にモンスターの種別を表すマークのスタンプと、クエスト登録者のハンコを押して登録終了です。簡単でしょう?」 「キノコの『しゅべつ』? それが分からないでしゅ…」 「植物系ですね」 「私も登録してみたいでしゅ!」 「ハンコ、どこかに無くしたんですよね?」 「あっ」  さっきのクエストを掲示板にしっかりとのり付けをして、貼りつけた。 「モンスターの情報はたまに更新されますので、その時は書き直してまた貼るんですよ」 「了解でしゅ!」  大体教え終わったところで、私はスケジュール帳を取り出し、予定の空きを確認した。 「…明日はフィールドワークにでも行ってみましょうか?」 「いきなりでしゅか?死にましぇんか?!」 「ドラゴンの巣に行くわけじゃないので大丈夫ですよ。巨大キノコのいる辺りに行くので、空き時間に毒消し薬の準備をしておいて下さいね」 「りょ、了解でしゅ」 「『承知しました』が正しい敬語ですよ」 「承知しましたでしゅ!」  …その後、もう一度受付業務をやった時のルノコは 晴れ晴れとしていた。 「えっと、小型討伐多めでしゅから…レベル誤差3以内のブラックバット7匹討伐はどうでしゅか?ここから結構近いでしゅけど、馬車はどうしましゅ?」 「ああ、ワシはちと腰の調子が悪くてな。馬車を頼むぞい」 「かしこまりました、馬車の手配をしておきましゅね」  初日の今日だけでも、彼女の成長は目に見えて分かる。私は安心しながら、奥でクエストの整理をしたのだった。
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