第四話 野外活動も忘れずに:前編

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 ルノコは、毒消し薬をポシェットに入れて 探索に行く準備を終えたようだ。 「ヒロービロ平原は初めて行きましゅ」 「モリガーとは離れていますからね、今回の目標は植物サンプルの入手と、異変の発見ですよ。」 「サンプルも取るんでしゅか?」 「はい、新種が稀に見つかりますし、道具製造係に渡すと回復薬にしてくれるので。もちろん、冒険者の皆さんが使う分ですよ?」 「ご奉仕のお手伝いでしゅね、頑張って探しましゅ」  ヒロービロ平原は、歩いて10分ほどの場所だ。道中何事もなくヒロービロ平原に着くと、確かに巨大キノコがうろついているのが確認できた。 「……いますね、巨大キノコ」 「しかも毒でしゅよね、巨大キノコ」 「胞子が毒なので、胞子の採取はしないで下さいね」 「間違ってもしないでしゅ!」  地面に這いつくばって、異変が無いか探すルノコ。何もそこまでしなくてもいいのだが。 「異変~異変~、いたら返事してくだしゃい~!」 「異変が返事したら苦労しませんよ」  するとルノコの目の前に、地面が盛り上がった跡と奥が暗くて見えない穴があった。 「センパイ、穴がありましゅ!奥に何かいるかもしれないでしゅ!」     
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