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「聞くところによると人間側の世界ではエルフやドワーフ、天界の勢力といった
様々な文化が交流していると聞いておる。
戦争が終わり、ワシらは、ある程度の領地を取り戻した…といっても、元々ワシらが
住んでいた所に、勝手に住み始めたり、冒険したりする奴等との衝突が
争いの原因でもある訳じゃが…
人間達には侵略した領地をキチンと返したし、双方共、満足の行く形で終わった戦争と
いえる。今更、我々が人間の地に赴いた所で、何も謂れはないじゃろう。“ラノベ”でも
魔族と人間の交流、共闘モノは多いからの。問題なかろうて。頼んだぞ。ゴブ軍曹」
ファーブニ大臣の言葉に、魔王が健やかな笑顔を見せ“最終決定”を告げた。
笑顔は素敵だけど、ちょっと待って、待てってオイ!?
「じゃっ!軍曹、よろしく!」
「わかりました。だけど一つ良いですか?異世界?ラノベって何すか?
何で全員頷いてるの?えっ?何なの?俺だけなの?わかってないのはゴブリンだけなの?無知は俺達だけなの?」
「これにて解散~」
俺の疑問を無情に無視し、ガタノゾンアが話し合いの終了を宣言し、
とりあえず人間側の領土に
“文化交流(美味しい料理を教えてもらう)のための使節団”を送る事が決まった…
「オイッ?何でこの人“お姫様風の恰好していて”今じゃ何処の世界でも“死語”に近い
“奴隷”の証である“鉄の輪”を首に付けてるんだ?」
使節団は“俺”が行くべきだった…
目の前の泣きそうプルプルなお嬢さんを見て、心底、俺は思った…
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