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「あっ、そうだったんですかぁ~。ごめんなさい。武装した魔物の襲撃なんて、ホント
久しぶりでして。皆、ビックリしちゃって。ハイッ、わかりました。」
笑顔ニパニパな感じで、何度も頷くミーミ姫(以下、ミーミと銘記)良かった。
何とか誤解が解けたぞ。
念のため、飛行能力を持つドレイク部隊に城内と周辺を見回ってもらうが、
人間達の軍隊はいないとの報告を受けた。戦乱勃発の危険は水際で回避出来ているだろう。今の所は…念のため、ミーミに尋ねる。
「あの、姫さん!」
「はい~?」
「念のために聞きますが、貴方の王国では可愛いお姫様が生贄にされると聞いて、
軍隊を派遣するとか、姫を取り戻すとか、そういう動きはなかったんですか?」
「あ、ないですね。多分、大丈夫だろうっていう事で。心配ない!って言われました~」
随分と薄情な…ゴブリンの俺でさえ、ビックリな国民性と思いつつも、一安心。
これで大丈夫。ようやく本題に戻れる。
「そうですかぃ。安心しました。では当初の予定でした、料理のレシピや
作り方とか、教えてもら…あっ、姫様は料理作りませんよね!困ったなぁ~」
俺が頭を抱えると、ミーミが再びのニパニパ笑顔で答え、
「あっ、それでしたら、大丈夫です。お料理は、ハイッ、こちらに~。」
彼女が両手を前に出し、
「ハイッ!」
の掛け声と共に、ミーミの背後の影が、まるで生き物のように素早く動き、そっちに目を
とられてしまった俺達が、姫に慌てて視線を戻すと、彼女の手には
“ホッカホカ”の料理が豪華なお皿付きで載っていた。隣のガンスとラミアンが目ざとく
飛び突き、食べ始める。
「凄い!!番組でやってる。“はい、実際に完成したモノがこちら”
みたいじゃないっすかぁ!?美味しいっすよ。軍曹!」
「ウン、これいけるよ。オムレツだっけ?超美味しい~」
いや、感心するのは、そこじゃなくてさ…
俺はすっごく思っていた疑問を口にする。
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