4人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな感じで私、カスミ、絵美とリル君でしばらく会話しているとテネ君が大量の工具のようなものを抱えて帰ってきた。
どうやら話に聞く自動シャベルのようだ。見た目はただのシャベルなのだが地面に突き刺すとモグラのように勝手に地中を掘り起こしてくれる。なるほど便利だ。
タイムカプセルが埋まってそうなところに当たりをつけ、一斉に堀り始めた。
木の根本と言ってもあまりにも近すぎるところは根っこが邪魔で掘れないしそもそも埋められないだろう。かといって遠ければ範囲が広すぎる。
この木の解説が書いてある看板や柵の近くなどかと考えながら一同はしばらく無言で掘り進めた。
「なかなか見つからないね」
しばらくして飽きたのかカスミが話しかけてくる。
「にしても思ったより未来が変わってなくてよかった。
言語が変わっていたら本当に何もできなかった」
「あ、それはたしかに。
もう少し未来で、テネ君みたいな超能力者が増えたら例えばテレパシーだけで会話して言語は不要になるとかもあるのかな」
「 あの二人、テレパシーも使えるのか、 なかなか万能だな」
「あ、そっか。超能力者っていってもなんでも出来るとは限りませんね。また早とちりしちゃった」
思い込み激しい性格はなかなか治らない。
ふとテネ君とリル君を見ると二人は顔を近付けて手元を見ていた。何か見つけたのだろうか。
「テネ君、リル君、何か見つけたー?」
「え、あ、はいー。えっと、これですかね? 手紙みたいなのが入ってますけど……。」
そう言って紙束を見せてくれた。足下には棺桶のような箱が開けてありそこから取り出したようだ。
紙束をよく見ると乗ってきたワープマシンの図の横で見覚えのある文字が踊っている。そう、待ち望んでいた筆跡の文字。
ビンゴだ!
「ありがと、二人とも! よくやった!」
嬉しさのあまり二人を抱きしめて頭をくちゃくちゃに撫で回した。
それはふうりの字で書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!