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頭を付き合わせながら読み終えてしばらく、私達無言だった。
というか何も言えなかった。
ワープマシン抱えて宇宙から飛び降りをすれば帰れるよー、と言われてもそりゃ、困る。
沈黙を破ったのはカスミ。
「リル君、宇宙旅行って実用化されてる?」
「一応されてはいますが値段は高いですよ」
「だよなぁ」
そう溜め息をついてからカスミは自らを励ますように言う。
「まぁ前向きに捉えよう。前向きに。
とりあえず、帰り方があることはわかった。
あとワープマシンが直せそうだということがわかった」
そう、私がこわsh、いや、壊れちゃったワープマシンはどうやら直せそうなのだ。思った以上に頑丈に出来ているらしい。
「あとまぁ、金銭も手に入った」
五千円ほど。おそらくふうりの財布に入っていたすべてだろう。ありがたく使わせてもらいます。
今の時代に使えるかは別として。
「部品とやり方は書いてあるのだし、マシンを直して、あとは帰るだけだな」
「こんな方法で帰れればですけどね」
と、私は呟く。
「この方法なら帰れる…………らしい」
カスミは言い返したがその声はひきつっていた。
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