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太古の昔に絶滅したはずのドラゴンが復活したのだった。
私のような弟子達はみな魔女学校へ集められ、
怪我の手当てや調査など、様々な後方支援を行なった。
大人の魔女たちは、ドラゴン討伐に駆り出され、
死闘を繰り広げた。
学校で手当てをしてる時、
同級生が血相を変えて走ってきた。
「大人が数人、致命傷で運びこまれた。
・・・あなたの師匠もいるわ。」
許しをもらってすぐに駆けつけたが、
既に足や腕を食いちぎられ、
言葉も発することもできない様子で、
酷い有様だった。
「あぁ、、ああ!!
待って、、待って!!!今治療しますから、、!」
私は気が動転していた。
あの場にいた誰もがもう助からないとわかっていた。けれど、私が治療を始めようとするのを誰も
止めようとはしなかった。
しかし。
彼女は私を見て安心した様子で、
残りの魔力を振り絞って一輪のクチナシを咲かせ、
私に手渡して、静かに目を閉じた。
茫然自失となったその日の夜は、彼女の本で
クチナシの花言葉を知り、静かに泣いた。
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