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今日でちょうど10年が経った。
魔女にはあっという間なのだが、
この10年、私は時が止まったように感じている。
窓辺の椅子に座り彼女が大切にしていた庭を眺める。彼女は私に庭の世話をさせてくれなかった。
私が水をやろうとしたり、庭で魔法を使おうとしたりした時ら鬼のような形相で怒られたことが昨日のことのように思い出される。
彼女が死んだと同時に庭の花達は一瞬で枯れた。
「この子達は、私がいなきゃダメなんだよ。
いつかお前にも世話の仕方を教えなきゃねぇ。」
ある時、こんなことを言っていた。
花が枯れた時に、彼女が、枯れないように優しい優しい魔法をかけていたことがようやくわかった。
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