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 いくら今日は二人だけの特別な日だからって、息子を置いてって自分たちだけで楽しむっていうのは 如何なものかと思う。 「じゃあ、行ってくるね、健君」 「しっかり留守番を頼むぞ」  親父とお袋は幸せそうに腕を組むと出かけて行った。一泊二日の旅行に。  今日は交際記念日&結婚記念日とかで俺が中学生になってからは毎年この日に二人で旅行する事に決めてい るらしい。  一緒に旅行に連れて行けって言う気はない。ただ俺だってもう高校二年だ、少しは自由 な夜を過ごさせてほしいだけだ、なのに。 『羽目を外すなよ。いつも通り『ボス』に見張ってもらうからな』  親父はそう言って見張りを置いていった。その『ボス』っていうのはペットの犬とか じゃなくて人間。更に説明するなら俺のいとこの、あだ名だ。  ボスは子供の頃、親戚の集まりなんかがあると3歳年上なのをいいことに あれやこれや命令して、俺を手下みたいに扱っていた。俺も何となく逆らえないまま、今に至っている。
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