1・土曜日 ~新たな仲間~

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「ハハッ。そうやって照れて困ってるおまえ見るのも、可愛くって好き」  そんなことを無邪気に言える方がかわいいよ。  そう言いたいけど、もう照れまくってしまってダメだった。  そして、口から飛び出すのは可愛くない言葉。 「……悠真ってサディストだよね」 「ハハハッ。なんとでも言えよ。何言っても可愛いとしか思えねえし」  変わらない笑顔でケラケラと笑われた。  ダメだ。完敗。  だけど、こんな可愛くない私でも可愛いと言ってくれるなんて、きっとどこの世界を探しても悠真だけだよね。 「明日はさ、俺たちはどんな関係の世界にいるんだろうな」  コーヒーをブラックのまま口へ運びながら、悠真が私を見た。 「明日は日曜日だから、学校が違っても問題は無いね」 「そうだな。待ち合わせ決めてデートしようぜ」  デート!? またそういう照れるキーワードを使うんだから!  私が答えずに甘いコーヒーをすすると、悠真が私の頬をつついた。 「ただ待ち合わせじゃ無くて、本当のデートしたいんだ。どっか遊びに行こうよ」 「……うん。いいよ」  こんな毎日違う世界を渡り歩いていても、悠真は不安どころか楽しもうとしているのかもしれない。  若しくは、私を楽しませようとしているのかな……?  どちらにしても、そんな悠真で良かったな、と心底思った。
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