プロローグ

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   いつも不思議な気持ちになる。  ファインダー越しに見るキミの姿。  普段は調子のいいことばかり言って笑っているくせに、画面に映るキミはいつも真剣な表情で。  そんな姿に強く惹かれた。  キミに惹かれた私の気持ちの名前はなんでもいい。  キミの中の何に惹かれているのかも、今の私にはどうでもいい。  ただ、目の前にいるキミが輝いて見えて。  ただ、目の前にいるキミをずっと見ていたくて。  ただ、目の前にいるキミのことを、もっともっと知りたくなって。  キミが私を見ていた時間よりも、もっと深くキミを見つめていたい。  素直とは言えない私の瞳よりも正直に写すことができる、このカメラを通してでいいから…………。  
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