花ノ歌02

1/10
前へ
/64ページ
次へ

花ノ歌02

 この国の歴史はとても長く、そして古い。  小さな占術師のしわがれた声が、ろうそくの灯りを小さく揺らしていた。 「この国がいつからあるのか。この国がどうやって出来たのか。そんな昔のことは、このわしにもわからん。わしがこれから話す歴史は、この(ばば)が生まれてから今この時までの、ほんの数十年の歴史じゃ」  懐かしそうに細められた瞳が歴史を物語る。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加