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そんなことない。全然強くなんかない、今までだってずっと怖かった。
でも、何も知らずにいるのも怖いから。分からないままは、怖いから。
ちょっとだけ目を伏せて、弱さを隠すように口唇をかんだ。
「歌乃や、お主はこの国をどうみた? 何を感じたかの?」
「・・・寂しいと、思った。・・・理由はよく知らないし、今はまだ判らないけれど・・・城の外も中も、物寂しかったよ」
占術師は満足げに頷いて、意を決したかのように話を始めた。
この国のすべて歴史を。
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