新たなつながり

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ティルが言った。 「15歳で剣を受け取って、見習いになるんだ。そこで初めて、剣を持つことがどういうことか知る。その時点で士官学校をやめて技能学校に移るやつらもいるよ。そいつらはさ、剣に頼らずに守ることとか、人の命の重みとかさ、色々考えて決めるんだよな」 「そんな選択肢もあるんだ」 「ああ。騎士になるのも、剣の腕があって、一定の教育を受けて騎士の誓いを立てればいいだけだから、15歳過ぎてから士官学校に入る者もいるぞ」 ティルは続けた。 「だから、最初からこれ1本って決めずに、やりながら考えればいいんじゃないかな。取り敢えず、選別師訓練受けるか?」 ユクトは考えた。 まだ採石師になる気持ちが大きかった。 そしてそれには、選別師資格は役に立ちそうだった。 「うん。俺、選別師になりたい」 「じゃあ、まずは修練しようぜ!選別師になるにはすごく役に立つんだ!それから選別師訓練見せてやる」 ラフィがそう言って、16時まで修練をすると、2階に上がって選別師訓練を眺め、少し試した。 「こうやって並べていくんだ。力量読むのは、まあ、慣れだな。4種持ちだから属性は全部判るし、完全体と不完全体は修練やったら判るだろう」 彩石選別師は、土、風、水、火の属性と、サイジャク、サイゴク、サイセキの働きと、力量と、完全体と不完全体の区別を付ける。 ユクトは言われた通りしてみて、確かに力量を覚えるのは大変だと思った。 17時になって、ティルが言った。 「今日のところはここまでにしよう。施設長が心配するから、帰らないと」 一同は片付けをして、ユクトは施設に送ってもらった。 施設長が言った。 「お帰りなさい。色々見られた?」 ティルが答えた。 「あっ、俺たち、火の宮行ってて、レグノリアの街は見せてないんです。明日は見に行こうな。ところで施設長、ユクトが彩石選別師資格を取りたいそうなんです。それまでここに置いてもらえませんか」 「ミランダって呼んで。ミランダ・グロリアよ。ええ、養い親に慣れるのにも、そのくらいの期間があった方がいいかもしれないわね。ところで、夕食は18時半ばから20時までよ。汗を流して食堂にいらっしゃい。食堂は1階のそちらよ」 こうして、ユクトは新たな滞在場所を手に入れた。
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