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王立技能学校の日々
王立技能学校では、様々なことを学べる。
共通しているのは、仕事に直結していることだ。
料理師、清掃師、庭師、髪結師、指圧師、製菓師、伝達師、彩石選別師、皮革師、薬師、医師、木工師、石工師、図書師、経理師、建造師、教師、猟師、漁師、耕作師、養殖師、牧畜師、荷持ち、小間使い、侍女、侍従。
挙げれば切りがないのだが、とにかく卒業後すぐ仕事に就けるよう努力されている。
ユクトは何になりたいか決められなかったのだが、世の中の基本的なこと…文字や数字や地理を教える学習場を卒業していないので、その講義と、取り敢えず彩石選別師としてやっていけるよう、サイセキを覚える講義や、事務処理の講義、経営の講義など取っている。
職場見学も数多く参加して、アルシュファイド王国には本当に仕事の種類が多いのだなと感じた。
どの講義を取るかは自由で、ただ、この職業に就くならこの講義は受けた方がよい、ということを記した表をもらっている。
平日はずっと教室と食事室と図書室と自室を回っていて暇がないのだが、ティルたちから週末は何をする、という誘いの伝達が来る。
それは採石師をしていた頃より、ずっと嬉しい毎日で、ユクトは、こんな日々が続くことを強く望んだ。
そしてその望みは、消えない明日へと続いていった。
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