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「まぁでも、憶測は色々飛び交ってるよ。超自然現象とか、陰謀論とか。あるいはUMA論なんかも」
「UMAってことは、怪獣が暴れたみたいな?」
「おう、何だよ面白そうじゃねえか! 最初っからそれを言ってくれよな!」
「岡に話したわけじゃないだろうが」
食いついて画面を覗く岡を、鬱陶しそうに成田が払う。
その隙を突くようにして、天満が成田のスマートフォンを見た。
液晶に映し出されていたのは、よもやま話が雑多に集う、インターネットの掲示板だ。
さすがに人里離れているためか、書き込まれた目撃情報は、それほど多いものではない。
しかし、僅か記されたもののうち、いくつかの情報は不思議と、天満の興味を引くものだった。
『やたら大きな音が鳴ってた。おらが村まで届いてたくらい』
『火が出る前から煙が立ってて、それから炎で明るくなったな』
『なんかデカい影が見えなかったか? 見間違いだったらいいんだけど』
不可解な爆音と衝撃。あるはずのない巨大な影。
いずれもいたずら書きの類か、あるいはそれへの便乗と見なされ、あり得ないという反論を最後に、スルーされたものばかりだ。
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