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『Generation of electricity by touching stone』――通称GETSと名づけられたそれは、墓石ほどの大きさで小型の戦車を動かせるほどのパワーを生み出すことができた。当初は既存の兵器に搭載して化石燃料エンジンの代わりに使われていたのだが、ハーティ・スミスという名の技術者がこれを使って新たな白兵戦用兵器を生み出した。それが『Armour Maiden』――通称AMである。
「はぁ……」
目の前にあるAMを見て、アーサリンが大きなため息をつく。
AMは数世紀前まで使用されていた内燃機関付きの二輪車――オートバイのような形に削り出されたGETSが操縦席と動力ユニットを兼ねている。そこに大きく胸元の開いたパイロットスーツを着た女性が跨り、伏せるような格好で体を密着させることによって電力を生み出すのだ。
つまりGETSは触れる肌の面積が大きければ大きいほど多くのエネルギーを得られるため、必然的に胸の大きな女性ほど大出力の機体を扱えるということになる。
格納庫内にあるAMの八割が『ソッピース・キャメル(ラクダ)』――現在連合軍の主力となっている第三世代型で、大出力を積載性に転換することで重武装・重装甲を可能にした機体だ。
士官学校時代、それほど胸の大きくないアーサリンはどうしてもこのキャメルを扱うことができず、今では訓練機か偵察機としてしか使われていない第二世代型の『ソッピース・パップ(子犬)』しか動かすことができなかった。
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