2.Armour Maiden

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 筆記試験の成績においてはトップクラスだったアーサリンが、全兵士の憧れであるAMパイロットではなく、諜報部の幕僚コースへと志望進路を変えざるを得なかったのもそれが原因だ。 「いいなあキャメル……私もこれが動かせてたら……」  幕僚から司令部の幹部を目指すのもたしかにエリートコースではあるが、最前線で戦うAMパイロット――それもエースともなれば国家の英雄扱いだ。目指すことすら許されなかった憧れの象徴ともいえる機体を前にして、アーサリンは嘆息せずにはいられなかった。 「お姉さん、そんなところに突っ立ってどうしたんですか?」 「ひゃっ!?」  突然後ろから声をかけられて、アーサリンは思わず飛び上がってしまった。振り返ると、そこにはどう見てもまだプライマリー(小学生)にしか見えないほど背の低い少女が立っていた。油汚れにまみれたツナギを着てはいるが、後ろでまとめたツインの三つ編みお下げと大きな眼鏡がとても可愛らしい。 「あ、あのっ……わ、私は別に怪しい者じゃなくて……って、どうしてこんなところに子供が?」  その言葉を聞いた少女の顔がみるみる不機嫌になり、まるで口の中に食べ物を溜め込んだハムスターのように頬が膨らむ。 「こーどーもーじゃーあーりーまーせーんー! こう見えても私は十三歳ですー!」     
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