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1 金曜日 夕方
「で、どう説明する?」
一通り私から報告を受けた業務部長で上司のナミキが天を仰ぎ、嘆息を交えて聞いてきた。
「正直、適当な言い回しが思い浮かびません」
「今回のも泣けるくらい程度の低い人為的ミスだ。同業他社が聞いたら泣いて喜ぶだろうな」
「またうっかりミスです。こんなのなくならないですよ」
「部長の逆鱗に触れること間違いなしだ。参ったね」
午後五時過ぎの夕陽が眩しい。木によっては葉の色が完全に深緑から橙に変わり始めているものもある。橙色に変わった葉は程なく力を失い地に還る。
しかし、雨にも負けず風にも負けず、稀に凋落から徹底的に抗う幾枚の葉も存在する。外の木々と現在の私たちが置かれた状況が、静かに交差しようとしていた。
「つい二か月前もうっかりでやってしまったばかりですよ、この顧客には」
「だいたい続くんもんだよ、この手のミスは」
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