2,やり残したこと

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「そんなっ……そんなこと……」 私は、涙が止まらなかった。 デスがそんなことを思っているなんて、考えたこともなかった。 こんなに想われていたなんて、思ったこともなかった。 「そうだ、これ……」 デスはそう言って、少し長い糸を取り出した。 そしてその糸を引きちぎり、1本を私の左手の薬指に巻き付けた。 「勝手なことをしているのは分かってます。 でも、させて下さい。 いつか必ず、あなたを迎えに行きます、絶対に」 そう言いながら糸を結んで、デスは私を見た。 「私にも……結んでもらえますか?」 「うんっ……うん……」 私はデスから糸を受け取り、震える手で糸を結んだ。 「ははっ、相変わらず不器用な人だ。 最後の最後までぐちゃぐちゃですね」 デスはそう言って笑っていたけれど、私は止まらない涙に邪魔をされて、喋ることさえ出来なかった。 「泣かないで下さい。 あなたの笑顔が好きなんです。 最後は、笑顔がいい」 目の前で消えかかりながら笑って言うデスに、私は未だに涙が溢れる顔をぐちゃぐちゃの笑顔に変えた。 「うん……笑うよ……」 「必ず、迎えに行きます。 絶対に迎えに行きます、だから……」 デスはそう言ったあと、消えかかっていた体を完全に消した。 「デス……?デス……!?」 「おいっ、危ないっ!」 「え____ 」 ((キキーッ、ドンッ!))
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