シンガーソングライターのアリサ

成長する息子

ある日、発表会の案内をするプリントが息子から手渡された。そのプリントの内容を読んでみると、来月の第１日曜日に小学校の体育館で開催されるのだ。「今度、これに出演するから見に来てね」と張り切る息子に「今度見に来るから楽しみにしてるわ」と答えた。
その日が来て、アリサは小学校の中へ入った。廊下には、各クラスの子が書いた習字や絵が飾られている。それらの展示物を見ながら体育館に入ると席に座った。
開演時間が来て、校長の挨拶が済むと幕が上がった。一年生から六年生まで各学年の子が劇や器楽など集大成を舞台で発揮する。
いよいよ息子たちの番が回ってきた。段下で息子が弾くマリンバと共に器楽クラブの子たちはエレクトーンやタンバリンなどでステージでメロディーを担当するリコーダーの子たちを盛り立てる。子供たちが外国の第二の国歌を演奏をしているので、会場に王宮の雰囲気が漂う。子供たちの演奏が終わり、会場内で拍手が起こった。子供たちは一礼して次の出演者に舞台を明け渡すとそれぞれの教室へ戻った。