1115人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな爛れた欲望のありったけを若山にぶつけてしまった。
あの夜の所業は大いに反省すべきことであるにも関わらず、思いだしただけで下半身がやばい状況になりそうで、大河内はぶるぶると頭を振った。だが、一度頭の中によみがえってしまった若山の肢体や壮絶にエロい表情はすぐには消えない。指で滑らかな肌に触れ、舌で柔らかな口中を撫で、熱い内壁を思う存分擦り、かき混ぜてやりたい。そんな妄想ばかりが膨れ上がっていく。
「あああああっ、くそっ!」
大河内はがばりと起き上がり、パソコンデスクの上におきっぱなしにしていた携帯を掴んだ。
せめて声だけでも聞けば、少しは気が晴れる。部屋に戻っているなら、もしかしたら話ができるかもしれない。そう思って履歴から若山の番号を呼び出した。
耳に携帯を押し当ててじっと呼び出し音を聞いているが、一向に応答はない。やはりもう眠ってしまったのだろうか。
「秀ちゃん……」
一言だけでも、声が聞きたかったのに。
もう、次の瞬間には出てくれるかもしれない、という期待を何度も裏切られてから、ついに大河内は諦めて終話ボタンを押した。
残ったのは、先ほどよりも増した虚しさだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!