40:疑惑

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 深見が寂しそうにしょんぼりする姿に少しだけ罪悪感を覚え、ついいらぬ提案をしてしまった。途端に、深見はぱぁぁっと顔を輝かせる。 「まじで!? やったぁ」  小躍りする深見を見ながら、そういえば、とはたと気づいた。  普段ならすぐにでも気づくはずなのに、疲労と睡眠不足のせいかどうも思考能力がおちている。 「つか、よく考えたら、合コンとか行ったら山崎さんに絞め殺されんだろ。やっぱダメだ」 「えー? 絞め殺されたりしませんー。慶ちゃん、山崎さんの事なんだと思ってんの」  深見こそ山崎のどこを見ているんだと呆れながらも、反論するのも面倒になり、ロッカー室に入った。  自分のロッカーを開け、ボウタイやカマーバンドを投げ入れていると、深見が声を上げた。 「あれー? もうこの前の社員旅行の写真できたのかな?」  その手には封筒が握られている。寺田と深見が伊勢志摩に社員旅行に行ったのは十日ほど前の事。その記念写真のミニアルバムが焼き増しの注文用に回覧で回ってきたのはつい昨日か一昨日のことだったはず。そんなに早く焼き増しが出来上がるとも思えない。  不審に思いながら、封筒から中身を出す深見に近づいた。 「なに、コレ……」     
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