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私の答えも聞かずに、彼は勢いよく机をくっつけて来る。
彼との距離が一気に縮まったことに怖くなって、また手が小さく震えだした。
ドク、ドクと心臓が嫌な音を立てる。
どうしよう……怖い、距離が近い。
だけど、こんな所見られたらまた何か言われてしまう。
ぎゅっと震える手を握り耐える。教科書をなんとか真ん中に置くけれど、だんだんと顔の血が引いていく。
「おい、お前どうしたんだよ」
気持ち悪くなってきた。
彼の声が遠くで聞こえて、目の前がボヤボヤとはっきりしなくなるその瞬間、ぐらりと私の視界は傾いた。
**
ゆっくりと目を開けると、見慣れない天井が視界に入る。
私は真っ白なベッドで横になっていた。
「あれ?私どうしたっけ?」
起き上がると、ここが保健室であることが分かった。
「そっか……倒れて……」
「気がついた?」
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