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そう言うと、通話は勝手に切れてしまう。
俺は静かになったスマホを見た後、ポケットにしまい前を見る。
…そこには、まだ一枚の布が看板に引っかかっていた。
そしてその向う。
二人の兄弟が去って行った方とは反対方向の電柱に
同じような布が引っかかっているのを見つける。
…布を重ねる…か。
俺は先ほどの布を看板から外すと電柱のあたりに自転車を止め、腕を伸ばす。
電柱の登り棒に引っかかっていた布はいともあっさりと外れ、
二枚の布は俺の手に収まった。
…重ねる…ね。
俺は、二枚の布をそっと合わせてみる。
すると、不思議な事が起こった。
そこにあったのは二枚の布。
何の仕掛けも無い二枚の布だ。
しかしそ、れを重ね合わせた瞬間、ふいに溶け込むようにして一枚に合わさった。
そして持ってみると、それはほんの少し厚みを増した一枚の布へと変化している。
…え?え?これって…。
突然のことに困惑する。
そのとき、後ろの方で子供の声が聞こえる。
「わー、また重なったー。これで18枚だよう。」
はしゃぐような子供の声。
しかし目の前で起こった事は異常としかいえず…
そして俺は呆然としながら道の端にたたずんでいた…。
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